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「めいろ本」が iPad アプリになりました。

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 2006年に発刊された「ここにいるよ!めいろないきものたち」" Here I am ! The A-mazing Little Creatures" が装いもあらたに"電子書籍" となりました。iPad アプリです。9月12日App Store より発売予定です>発売されました! (画像はトップページ)

 オリジナルの絵本をみていただければ分かりますが、この絵本は読者の方に何度でも迷路をためしていただけるように、ブックカバー(ケース)そのものが透明プラスチックになっていて、その上から添付のマーカーで線を描くことが出来る、そして迷路のぐるぐる感もだすべくリング綴じという、「理にかなった」デザインだったのですが、これを実現するのにたいへんなコストがかかり、値段も高くなってしまいました。しかも、カタチが流通に適しておらず、書店でも扱いにくいことに......
 結果「アート本」として評価されたことは嬉しいのですが(イタリアのOPLAコレクション収蔵)、本は「より多く、より広く、より長く」読まれたい、と常々思っているので、目指すところはそこではないのでした。

 当時はiPadも無かったし、これを電子書籍で表現するなんて考えてもいませんでしたが......いざこうしてアプリになると、最初からこうあるべきだったとさえ思えるほど、この絵本の内容は "電子書籍" の仕様に合う。ストーリーだけを追うことも出来れば、迷路あそびだけ楽しむこともできる。迷路をたどって、消せる。ついでに塗り絵もできる。大きさや質感 (A4くらい、表面ツルツル) は iPad とほぼ同じ。なんと幸せな組み合わせでしょう!おとなも子どもも楽しめる作品になったと思います。
 紙の絵本と大きく違うところは:
1. 音楽がついた!The Future Ratio の中村遼氏によるオリジナル曲です。
2. 迷路には「マーカー」添付ではなく、多色のパレットがついた!  ぬり絵機能が充実しました。完成した「ぬり絵」を保存できるのも "電子" ならでは。
3. 値段が違う!通常350円です。ときどきキャンペーン価格で発売していまのでチェックしてみてください。売上の一部は「東日本大震災」の復興支援として役立てていただきます。

 ではオリジナルの紙の本は高いばかりでイイトコなしかというと、そうではなくて、印刷の鮮やかさや紙の質感などは iPad では得られないものです。そして「それが、そのカタチで、そこに在る」というオブジェ感が大事だったりもするのです。
また第一に、最初からアプリを前提としていたらこれだけ力を注げたかというと自分自身疑問なのです。「本」というカタチを愛するゆえに、そのフォーマットから考え直そうという試みの一環で発表した作品なので、"紙の本" なしではそもそも作品がなかった、という可能性は高いと思います。読者にとっては「無かったものを惜しむ」こともないので、もっぱら作者側の問題ですが......。

 モチベーションの部分も含め、それぞれの媒体に適した作品とその表現方法があると思うので、"電子書籍" と "紙の本" は棲み分けつつ共存していくのだと思います。
次回はアプリについた「音楽」と「パレット」について書きたいと思います。

アプリに関する問い合わせは、 タナカ印刷または kinotoriko へどうぞ。