イラストレーション・絵本・展示などの御案内

2020年8月アーカイブ

あの日の夕焼け

sunset.jpg


いま思うと、生きる意味についていちばん悩んでいたのは小学生の頃だったような気がする。自分が「まだいなかった」世界から、そう時間が経っていない年ごろだったから、かも知れない。"社会(=学校のクラス)" のいびつさに、ほとほとイヤになっていた。

「明日があるさ!」と、いかにも未来に希望があるかのような、励まし方があるけれど、「その明日が来るのがコワイんだ!」と思いながら、ひとり下校中だったある日のこと。家の近くまで来て坂の上から西を見ると、夕焼けが空いっぱい異様にギラついていた。オレンジ色の太陽がどんどん西に沈んでいくのをながめながら、ふと思う。「今ここで私が死んだら......」と。「あの太陽が一周して東の空からあらわれるのを見ることもないんだナ......」 そう思うと、急になんだか、いたたまれない気持ちになった。自分のいない世界でまわりつづける太陽。それ、なんか、ズルい? いやなんだろう、ちがうちがう。「私が死んだら......」と考えたのも、すぐ取り消したのも、けっこうな心の動揺のはずなんだけど......
圧倒的な太陽が、小さな心の動きを空の色ごとぐいぐい引き込んで、明日へ持っていった。負けた。
いつものように「ただいま」と、家の扉を開けた。
今も、あの日の太陽を、見つづけているんだな。


pekopeko_gogonihon.png

「日本語の擬音語・擬態語をバイリンガルで理解しよう!」と謳う拙著『おなかぺこぺこオノマトペ』が、このたび日本語学習者のためのオンライン教材になりました。新型コロナウイルスのため、出入国が制限されている現状で、とくに海外の留学生さんたちのためにGO!GO!NIHON が急きょ立ち上げたプロジェクトです。
紙の本と違うところは、発音を伝えるために、私自身が日本語の例文を読む音声が付いている点、そして、各章の終わりにクイズがあるところです。とても充実した内容になっていますので、日本語を学んでいる方に、お勧めです!
1